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相続した実家をどうするか迷っている方へ

解体したあとの土地。売る・貸す・隣に売る・持つの4択

情報の確認日:2026年10月21日(国税庁・国土交通省・法務省の公表資料)

解体したあとの土地は、売れる見込みがあるなら仲介で売るのが基本です。期間は3〜6か月程度、買取なら1か月以内ですが価格は市場の7〜9割程度です。売る見込みが立たないなら、固定資産税が上がる前に解体を急がない選択もあります。

住宅地の中にある整地された更地と、隣家のブロック塀
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この記事の結論

  • 売るなら仲介が基本です。3〜6か月程度かかります。急ぐなら買取で1か月以内ですが、価格は市場の7〜9割程度が目安です。
  • 狭い土地や道路に接していない土地は、隣地の所有者が最も高く買う相手になることがあります。先に声をかけます。
  • 持ち続けると固定資産税は3〜4倍程度に上がり、草刈りなどで年に数万円かかります。売る見込みがないなら、解体を急ぎません。

売る仲介と買取、どちらで売るか

更地の売り方は2つです。不動産会社に買主を探してもらう「仲介」と、不動産会社が直接買う「買取」です。価格と期間が反対の関係にあります。

仲介買取
売れる価格市場価格に近い市場価格の7〜9割程度(目安)
期間3〜6か月程度(目安)1週間〜1か月程度
仲介手数料売買価格の3%+6万円+税が上限(400万円超)なし
売ったあとの責任契約不適合責任を負うことがある免責になることが多い

※ 表は横にスクロールできます

1,000万円で売れた場合、仲介手数料の上限は39万6,000円(税込)です。800万円以下の土地は、2024年7月から「低廉な空家等の媒介特例」で手数料の上限が33万円(税込)になりました。地方の実家では、この特例に当たることが多いです。

仲介の媒介契約は最長3か月で、更新できます。3か月で問い合わせがなければ、価格を下げるか買取に切り替えるかを決めます。半年を超えて売れない土地は、次の「隣に売る」「貸す」を考えます。

隣に売る隣地の所有者に声をかける

間口が狭い土地、面積が20坪以下の土地、道路に2m以上接していない土地は、市場では買主が付きにくいです。しかし隣の土地と合わせると、価値が上がります。隣地の所有者にとっては、庭や駐車場が広がり、建て替えの自由度が増すからです。

  • 声のかけ方:解体の近隣挨拶のときに「土地をどうするか考えている」と伝えます。解体業者や地元の不動産会社に仲介を頼んでも構いません。
  • 価格の決め方:固定資産税評価額を0.7で割った額が、公示価格水準の目安です。ここから隣地が得る利点を考えて話し合います。
  • 手続き:売買契約書と所有権移転登記が必要です。司法書士に頼むと登記費用は5〜10万円程度が目安です。価格が低ければ不動産会社を通さず進めることもできます。

売る前に相続登記を終えておく必要があります(名義の記事)。境界が不明な土地は、隣地との境界確認書を先に作ります。測量費は30〜60万円程度が目安で、売値を下回ることもあります。

貸す駐車場や資材置き場として貸す

売らずに収入を得る方法は、月極駐車場と資材置き場の2つが現実的です。初期費用は砕石を敷いてロープで区画する程度なら、100㎡で20〜40万円程度が目安です。

  • 収入の目安:月極駐車場は1台あたり月3,000〜1万円程度です(地域差が大きい)。100㎡なら4〜5台で、年15〜60万円程度になります。
  • 資材置き場:近くの建設会社や造園業者に一括で貸します。1㎡あたり月100〜300円程度が目安で、100㎡なら年12〜36万円程度です。
  • 税金:土地を貸すだけの収入は不動産所得です。会社員は、収入から経費を引いた所得が年20万円を超えると確定申告が必要です。固定資産税は経費になります。

貸しても固定資産税は下がりません。住宅がない土地の扱いは更地と同じです。年15万円の収入から固定資産税10万円と草刈り費を引くと、手元に残るのは数万円という土地も多いです。収入の見込みを先に数字で出してください。

自治体の空き家バンクは、空き地も載せられるところが増えています。国土交通省の全国版空き家・空き地バンクには、2026年2月時点で1,134自治体が参加しています。掲載は約1万9,000件です。市場で売れない土地でも、移住希望者や近隣住民の目に触れる手段になります。

持つ持ち続けると毎年いくらかかるか

家があるうちは、土地200㎡までの固定資産税が6分の1に軽減されています。解体すると翌年の1月1日からこの軽減が外れ、税額は3〜4倍程度になります(固定資産税の記事)。評価額1,500万円・120㎡の土地なら、年約5万円が約18万円に上がる計算です。

  • 草刈り:100㎡で1回1〜3万円程度、年2〜3回で3〜9万円程度が目安です。放置すると自治体の条例で指導を受けることがあります。
  • 管理委託:遠方なら、見回りと草刈りを月数千円〜1万円程度で請け負う会社があります。
  • 合計:固定資産税18万円と草刈り6万円で、年24万円程度が出ていきます。5年持てば120万円です。

どうしても引き取り手がない土地は、法務省の「相続土地国庫帰属制度」で国に引き取ってもらう道があります。建物がある土地は申請できないので、解体後に使える制度です。審査手数料は1筆1万4,000円、負担金は宅地で原則20万円です。境界が明らかで、担保や通路利用がないことが条件です。

判断解体を急がない、という判断

売る見込みが立たない土地を先に解体すると、固定資産税の軽減だけが外れて、出費が増えます。次の順番で考えてください。

  1. 地元の不動産会社2社に更地の査定を頼む解体前でも「更地にしたらいくらで売れるか」は答えてもらえます。解体費を引いて手元に残る額を出します。
  2. 隣地所有者に打診する査定が解体費を下回るなら、隣地が買うかどうかで判断が変わります。
  3. 売れる見込みがあれば解体し、1月2日以降に着工する翌年分の固定資産税はそのままになります。市区町村の補助金も着工前に申請します。
  4. 見込みがなければ、建物付きのまま売りに出す買主が解体する前提で売ると、空き家の3,000万円控除も使えます(3,000万円控除の記事)。

倒壊の危険がある家や、自治体から指導を受けている家は、売却の見込みに関係なく解体を優先してください。放置して「勧告」を受けると、家があっても固定資産税の軽減は外れます。

FAQよくあるご質問

道路に接していない土地は、本当に売れますか。

市場では買主が付きにくいですが、隣地の所有者には売れることがあります。隣地と合わせれば建築基準法の接道義務を満たし、価値が上がるからです。買取業者が引き取る場合は、市場価格より大きく下がることを見込んでください。

駐車場にすれば固定資産税は安くなりますか。

安くなりません。固定資産税の軽減は住宅が建っている土地だけに適用されます。駐車場は更地と同じ税額です。収入から固定資産税と草刈り費を引いて、手元に残る額で判断してください。

解体してから売れないまま何年も経つと、どうなりますか。

固定資産税と管理費で年20万円程度が出ていき続けます(評価額1,500万円の例)。3年売れなければ、買取、隣地への売却、空き地バンク、相続土地国庫帰属制度の順で検討してください。

実家の解体、まず費用から。

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出典

  • 法務省「相続土地国庫帰属制度の概要」(建物がある土地は申請不可、審査手数料1筆1万4,000円、負担金の基準)
  • 国土交通省「全国版空き家・空き地バンクについて」(2026年2月時点の参加自治体数・掲載件数)
  • 公益社団法人全日本不動産協会「低廉な空家等の媒介特例」(2024年7月1日施行、800万円以下は上限33万円)
  • 国土交通省 空き家対策特設サイト「住宅用地特例」、国税庁 タックスアンサー No.1370「不動産収入を受け取ったとき」

税金の扱いは個別の事情で変わります。この記事は制度の概要で、税務の助言ではありません。申告の前に税務署または税理士に確認してください。