実家の家財の片付け。自分でやるか業者に頼むか、費用20〜60万円
情報の確認日:2026年10月21日(国税庁・国土交通省・法務省の公表資料)
実家の家財を業者に片付けてもらう費用は、戸建て(3LDK〜4LDK以上)で20〜60万円程度です。自分でやれば数万円で済みますが、遠方からだと3〜6回の帰省と数か月がかかります。貴重品と残すものだけ自分で確保し、残りは業者に任せるのが、費用と時間のつり合いがとれる進め方です。

この記事の結論
- 遺品整理・不用品回収の相場は、3LDKで17〜50万円、4LDK以上で22〜60万円です(みんなの遺品整理の料金目安)。量と立地で決まります。
- 自分でやるなら自治体の粗大ごみが最も安く、1点数百〜数千円です。ただし申込制で1回の点数に上限があり、遠方からは回数がかさみます。
- 解体業者に「家財ごと」頼むと1㎥あたり1〜1.5万円程度です。手間は最も少ないですが、補助金の対象外になりやすく、一般廃棄物の許可の確認が要ります。
相場業者に頼むといくらか
遺品整理業者の料金は「人件費+処分費+車両費」で決まります。間取りは目安で、実際は家財の量が最も影響します。
| 間取り | 料金の目安 | 人数・時間 |
|---|---|---|
| 3LDK | 17〜50万円 | 4〜8人、5〜12時間 |
| 4LDK以上 | 22〜60万円 | 4〜10人、6〜15時間 |
※ 表は横にスクロールできます
費用が上がる条件は、物の量、2階や階段の狭さ、トラックを停められない道、急ぎの日程です。物置・車庫・屋根裏・庭も見積りに入れます。エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機はリサイクル料金が別に1台1,000〜5,000円程度かかります。
見積りは2〜3社に現地で取ります。写真と動画を送れば概算を出す業者も増えています。「一式」ではなく、処分量(㎥またはトラック台数)と人数が書かれた見積書を比べてください。
注意:無許可の不用品回収業者のトラブルは、2021年度に全国で2,231件の相談がありました(国民生活センター)。「軽トラ積み放題1万円」の広告のあと、作業後に数十万円を請求される例です。市区町村の一般廃棄物処理業の許可があるかを確認し、無許可なら頼まないでください。
自分で自治体の粗大ごみで片付ける方法と限界
自治体の粗大ごみは、1点あたり数百〜数千円です。板橋区の例では、ふとん400円、1人用ソファ900円です。
限界は3つあります。
- 申込制と点数の上限:電話かネットで申し込み、収集日は1〜2週間先です。1回に出せる点数に上限を置く自治体が多く、家1軒分は数回に分かれます。
- 運び出し:粗大ごみは敷地の前まで自分で出します。タンス・ピアノ・大型冷蔵庫は、2人以上と車が必要です。
- 出せないもの:家電4品目(エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機)は家電リサイクル法で別扱いです。郵便局でリサイクル券を買い、指定引取場所へ運ぶか、小売店に引き取りを頼みます。消火器、ガスボンベ、塗料、タイヤも自治体では引き取りません。
遠方からなら、現実的な線は「貴重品と残すものを自分で確保し、残りは業者」です。自分でやるのは、片付けが1〜2部屋で済む家か、近くに住む相続人がいる場合に向いています。
残すもの仏壇・写真・貴重品はどう扱うか
先に決めるのは「残すもの」です。処分してから出てくると取り戻せません。
- 仏壇・位牌:菩提寺があれば「閉眼供養(魂抜き)」を頼みます。お布施は1〜5万円程度が目安です。位牌は新居に移すか、寺に永代供養を頼みます。仏壇本体は供養のあと、業者の処分か自治体の粗大ごみに出せます。遺品整理業者の多くは合同供養を料金に含みます。
- 遺影・写真・アルバム:量が多いので、スマートフォンかスキャンで撮ってデータにします。
- 権利証(登記識別情報):仏壇の引き出し、タンスの着物の間、本棚の本の間、金庫、天袋に多いです。見つからなくても相続登記はできます(法務局で登記事項証明書を取る)。
- 通帳・印鑑・カード:見つけた通帳は銀行に死亡を伝えて残高証明を取ります。
- 保険証券:見つからないときは、生命保険協会の「生命保険契約照会制度」で全社をまとめて照会できます(手数料3,000円)。
買取に回せるのは、貴金属、腕時計、カメラ、切手・古銭、未開封の酒、骨董、ブランド品です。着物と家具は古いほど値がつきにくいです。遺品整理業者の多くは買取額を料金から引いてくれるので、見積り時に査定も頼みます。
解体と一緒に解体業者に「家財ごと」頼む場合の費用と注意
家財が残ったまま解体業者に頼むと、「残置物処分費」として見積りに乗ります。目安は1㎥あたり1〜1.5万円、8㎥のコンテナ1個で6万円程度です。4LDKの家が丸ごと残っていると、30〜60万円程度になり、遺品整理業者とほぼ同じ水準です。
手間は最も少なく、立会いは1回で済みます。ただし、次の3点を確認してください。
- 許可:家の中のものは「一般廃棄物」で、市区町村の収集運搬業の許可が必要です。解体業者が持つのは産業廃棄物の許可が多く、家財は提携の許可業者が運びます。誰が運ぶかを見積りに書いてもらいます。
- 補助金:市区町村の解体補助は、建物本体の解体費だけを対象とするものがほとんどです。家財処分費は対象外になりやすいので、見積書で本体と分けておきます。東京都には家財整理に上限5万円を出す事業がありますが、年度ごとの実施は窓口で確認が要ります。
- 仕分けの有無:解体業者は「全部処分」が前提です。貴重品の捜索や供養は含まれません。残すものは解体前に自分で出しておきます。
解体費用の全体像は解体費用の内訳の記事に、補助金の有無は市区町村の補助金のページにまとめています。
段取り遠方から進める順番。帰省は2〜3回
- 1回目の帰省で貴重品を確保する権利証・通帳・印鑑・保険証券・年金関係・借金の書類を探し、1箱にまとめて持ち帰ります。写真を撮って家財の量を記録します。郵便物の転送届を出します。
- 残すものを親族で決める写真を共有し、形見分けの希望を1〜2週間で集めます。仏壇は閉眼供養の日を寺と決めます。ここまでで業者に見積りを頼めます。
- 業者を2〜3社比べて日程を決める遺品整理業者か、解体業者の残置物処分かを選びます。解体まで決めているなら、解体業者に一緒に見積りをもらうと早いです。処分量・人数・許可・追加料金の条件を書面でそろえます。
- 2回目の帰省で立ち会う作業当日は朝に立ち会い、残すものの確認と鍵の受け渡しをします。
- 解体・売却へ進む家財が出た状態で解体業者のアスベスト調査と現地見積りを受けます。固定資産税の1月1日と、3,000万円控除の期限(相続3年目の年末)に合わせて日程を組みます。
片付けが終わっていなくても、解体や売却の相談は始められます。タタミカタは片付けの業者とも連携しているので、家財が残った状態からの順番ごと相談してください。
FAQよくあるご質問
片付けの前に相続放棄を考えています。家財を処分しても大丈夫ですか。
財産価値のあるもの(貴金属、現金、骨董など)を処分したり持ち帰ったりすると、相続を承認したとみなされることがあります。放棄を考えているなら、家財に手をつける前に弁護士か司法書士に相談してください。
仏壇は粗大ごみに出せますか。
多くの自治体では供養後の仏壇を粗大ごみとして受け付けます。ただし「仏壇は受け付けない」と定める自治体もあるので、事前に確認してください。遺品整理業者や仏具店の引き取り(1〜3万円程度)も使えます。
片付けと解体をまとめて1社に頼めますか。
頼めます。解体業者が提携の許可業者に家財処分を回す形が一般的です。費用は遺品整理業者に頼む場合と大きく変わりませんが、貴重品の捜索や供養は含まれないことが多いです。残すものは先に自分で出してください。
出典
- 国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル」(2022年11月2日公表。相談件数2021年度2,231件。一般廃棄物処理業の許可の確認を助言)
- みんなの遺品整理「一軒家の遺品整理費用」料金目安(3LDK 17〜50万円、4LDK以上 22〜60万円。2026年10月確認)
- 板橋区「粗大ごみの出し方」手数料の例(ふとん400円、1人用ソファ900円)/経済産業省「家電リサイクル法」対象4品目
- 生命保険協会「生命保険契約照会制度」(照会手数料3,000円)/法務局「登記識別情報を紛失した場合の相続登記」
税金の扱いは個別の事情で変わります。この記事は制度の概要で、税務の助言ではありません。申告の前に税務署または税理士に確認してください。