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実家の解体とアスベスト。調査は全件義務、80㎡以上は報告

情報の確認日:2026年10月21日(国税庁・国土交通省・法務省の公表資料)

2006年8月以前に建てられた家を解体するときは、業者がアスベストの事前調査をしなければなりません。費用は施主が払い、戸建てで5〜15万円程度が目安です。解体部分の床面積が80㎡以上なら、結果は都道府県等と労働基準監督署に報告されます。

古い木造住宅の屋根と外壁を調査員が点検している様子
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この記事の結論

  • アスベストの事前調査は規模に関係なくすべての解体工事で義務です。2023年10月からは有資格者が調査します。
  • 解体部分の床面積が80㎡以上なら、2022年4月以降の工事は結果の報告が必要です。報告は業者がします。
  • 1981年以前の木造戸建てで見つかるのは、ほぼ屋根・外壁・天井板などの成形板(レベル3)です。除去費用の上乗せは10〜60万円程度が目安です。

義務だれが、いつから、何をするのか

調査の義務を負うのは、解体を請け負う業者です。根拠は厚生労働省の石綿障害予防規則と、環境省の大気汚染防止法です。施主がすることは、調査費用が見積りに入っているかを確かめることです。

時期決まったこと対象
2006年9月0.1%を超えるアスベスト含有製品の製造・使用が全面禁止これより前に着工した建物は調査が必要
2022年4月1日事前調査の結果を都道府県等と労働基準監督署に報告解体部分の床面積の合計が80㎡以上
2023年10月1日建築物石綿含有建材調査者など有資格者による調査規模に関係なくすべての解体・改修

※ 表は横にスクロールできます

2006年9月1日以降に着工した建物は、着工日を書類で示せば調査は終わります。実家が1981年以前の木造なら、この近道は使えません。業者は設計図書を見る書面調査と、現地調査を行います。

報告は業者が「石綿事前調査結果報告システム」で行います。施主が窓口に行く必要はありません。ただし、報告書の写しは必ず受け取ってください。補助金の申請で求められることがあります。

費用1調査にいくらかかるか

調査費用は、書面調査と現地調査、分析、報告書作成の合計です。東京都の資料では、分析費用は1検体あたり定性分析で約3〜6万円、定性と定量を合わせると約4〜10万円です。戸建てでは屋根・外壁・天井など2〜3検体を取ることが多いです。

  • 書面調査+現地調査+報告書:3〜5万円程度が目安です。解体費に含めて見積る業者もあります。
  • 分析:1検体3〜6万円程度。2〜3検体で6〜18万円程度が目安です。
  • 分析をしない選択:アスベストが「含まれているものとみなす」扱いもできます。分析費はかかりませんが、処分費が上がります。

合計で5〜15万円程度が目安です。見積りに「事前調査費」の行がない場合は、どの項目に含まれているかを聞いてください。

場所1981年以前の木造戸建てでは、どこに入っているか

アスベスト建材は発じん性でレベル1〜3に分かれます。レベル1は吹付け材、レベル2は保温材・耐火被覆・断熱材、レベル3はスレートなどの板状の成形板です。木造戸建てで見つかるのは、ほぼレベル3です。

場所建材の例主な製造時期
屋根化粧スレート、石綿スレート波板2004年ごろまで
外壁窯業系サイディング、石綿スレート板2004年ごろまで
軒天・内壁けい酸カルシウム板第1種、フレキシブルボード2004年ごろまで
天井ロックウール吸音天井板1961〜1987年
床ビニル床タイル1952〜1987年
煙突・配管石綿セメント円筒、保温材(レベル2)1980年代まで

※ 表は横にスクロールできます

製造時期は東京都と国土交通省の資料に基づく目安です。同じ名前の建材でも、含有の有無は製品ごとに違います。見た目では分からないので、分析か「みなし」で判断します。

費用2含まれていたら、除去にいくらかかるか

除去費用はレベルで大きく変わります。国土交通省の調査に基づく東京都の資料に、吹付け材(レベル1)の目安があります。処理面積300㎡未満で、1㎡あたり2.0〜8.5万円です。木造戸建てでこの工事が必要になることは、ほとんどありません。

  • レベル3(成形板):手作業で外し、湿らせて袋詰めし、専用の処分場に運びます。通常の解体費への上乗せは、屋根材だけなら10〜30万円程度、外壁や軒天も含むと30〜60万円程度が目安です。
  • レベル2(保温材など):隔離や届出が必要です。範囲が小さくても数十万円単位の上乗せになることがあります。
  • レベル1(吹付け):木造戸建てではまれです。見つかった場合は労働基準監督署と自治体への届出が必要で、工期も延びます。

30坪(約100㎡)の木造の解体費が150万円なら、レベル3の除去を含めて160〜210万円程度になる計算です。上乗せの額は、見積りに「石綿含有建材の撤去・処分」として分けて書いてもらってください。

補助金補助金は使えるか

多くの自治体のアスベスト補助は、吹付け材(レベル1)の調査と除去が対象です。相模原市のように、屋根のスレートは対象外と明記する自治体もあります。木造戸建てで見つかるレベル3は、補助の対象になりにくいのが実情です。

解体工事そのものの補助金は別の制度です。アスベストの調査費や処分費を対象経費に含めるかは自治体ごとに違います。市区町村の補助金のページで、お住まいの自治体の対象経費を確かめてください。

  • 見積りの前に:補助金の申請は、着工前に行うものがほとんどです。調査の結果が出てから申請の順番になります。
  • 業者の選び方:事前調査の資格者がいるか、報告書の写しを出すかを先に聞きます(業者の選び方の記事)。

FAQよくあるご質問

床面積80㎡未満の小さい家なら、調査はいらないのですか。

調査は必要です。80㎡は報告が必要になる基準で、調査そのものは規模に関係なくすべての解体工事で義務です。結果は業者が3年間保存します。

調査費用を払わずに済ませる方法はありますか。

2006年9月1日以降に着工した建物なら、着工日を書類で示せば調査は終わります。1981年以前の家にこの近道はありません。分析をせず「含有とみなす」と分析費は省けますが、処分費が上がります。

アスベストが見つかったら、解体を止めるべきですか。

止める必要はありません。木造戸建てで見つかるレベル3の成形板は、手ばらしと湿潤化で飛散を抑えて撤去できます。上乗せ費用の目安は10〜60万円程度です。見積りの項目を分けてもらい、金額を確かめてから進めてください。

実家の解体、まず費用から。

お住まいの市区町村の補助金と、解体費用の目安を確認できます。

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出典

  • 環境省 報道発表「石綿事前調査結果の報告制度の開始について」(2022年4月1日施行、大気汚染防止法)
  • 厚生労働省 石綿総合情報ポータル「建築物石綿含有建材調査者について」「解体・改修工事を発注する方へ」(石綿障害予防規則)
  • 東京都都市整備局「アスベスト対策パンフレット」(国土交通省調査に基づく除去費用の目安、分析費用、建材の製造時期)
  • 相模原市「個人住宅アスベスト含有調査費補助」(屋根スレートは対象外と明記)

税金の扱いは個別の事情で変わります。この記事は制度の概要で、税務の助言ではありません。申告の前に税務署または税理士に確認してください。